樫舎の手記

こぼれ話

最初で最後?

イチゴ大福.JPG

 

 

素材を大切に考える樫舎

 

奈良にとてつもない美味しいいちご(あきひめ)を育てている農家と

10年前に出逢いがありました。

和菓子にすることは全く考えていなかったので

自分たちが時折いただく贅沢な食べ物として食していました。

 

先日、樫舎主人 ふと作ってみたくなったのです。

この いちご大福。

 

餡は、備中白小豆こしあん

あまりの美味しさに 私個人としては販売して

皆さんに感動してほしいと思うのですが

なにぶん 高価ないちごであること・・・

そして このいちごは2日と持つか持たないかという繊細なものであるということ

ほか・・・・・・・販売するとなると問題が多々。

 

主人は、最初で最後かな・・・とぽつり。

 

最後にしたくはないと思う私。

 

いつかいつか 皆様にご案内出来るときがくればと願っています。

 

 

 

 

 

 

辰

 

12月の折上先生の仏師教室は 例年通り

干支を彫りました

 

仏師教室が始まって三年目の干支は 

 

みなさん1~2日で仕上げられたそうです。

毎年 増えていくのが楽しみです

 

 

 

 

 

海布丸太

 

よしの杖

 

 

日本の文化は 横からの遮光の文化といっても過言ではないと考えます。

屋内において電灯を消して障子からの遮光に目が慣れてくると

菓子だけでなく、器、茶碗、着物、畳の目までもが立体感を増し

一つ一つが本来持っている、(ライティングでは決して太刀打ちできない)

本当の美しさが際立ってきます。

私は、これぞ日本人の根底にある美学と考え遮光に映える菓子を作ることを

大切にしています。しかし、昨今 室内環境は、上からのライティングで

形成され 様々なライトが存在し、色、形、強弱と光の種類は多岐にわたります。

 

これは、現代の建築事情に寄与するところが大きいのですが

時代の流れの前に如何ともしがたいのが現状です。

しかし、吉野にはこんな現代に於いても 日本古来の建築文化を支えている

人々がまだいらっしゃいます。

出来上がった時が、一番いい家ではなく、数十年あるいは、数百年かけて

その家人達と共によりよい家に育てていくことができる家、

そんな本来の日本家屋の材料を作り続けている人達がいます。

 

その一人が 銘木店マルチの御主人 林正武さんです。

茶室などに代表される数寄屋造りといわれる日本建築の材料を作っておられます。

しかし時代のあおりを受け 年々需要は減少し、廃業される方々も少なくありません。

超一流材だけを扱うマルチさんも例外ではなく 大変厳しい時代を迎えています。

「日本の美」 を守るために「文化を守る」ために 建材として流通しない

時代なのであれば新しい使い方を提案してでも流通させなければ 

山が死んでしまいます。

文化がなくなってしまいます。

そんな思いから よしの杖をつくりました。

樹齢十年程度の杉・檜は 極めて目が込んでおり元から末まで落ちが少なく

地上10メートル程の部分を使用しているそれらにすら、すでに何度かの枝打ちのあとが

伺えます。マルチさんの材料らしく本当に手間暇をかけた銘木であることは間違いありません。

 

本来は数寄屋の軒のかけに使われるべき海布丸太を

奈良絵師による正倉院文様などの絵付けを施して

よしの杖として販売しております。

 

マルチ銘木店

http://maruchi-meiboku.jp

 

                         樫舎主人

 

 

 

感謝

三月一日から始まる 東大寺二月堂のお水取り

 

二月十八日に 修二会で使用する 灯明油の "油はかり"

   二十日には試別火(ころべっか)がはじまり

本行の備え 準備も多々あるそうです。

 

今年も、お松明をあげさせていただけることになり

心から感謝しています。

そのお松明に、文言を書いていただきました(二月二十一日)

お松明

 

お松明

      

お松明には お特位様御発展(当て字かもしれません)と今年も

書いていただきました。

皆々様の御発展をお祈りし・・・

樫舎も発展していけましたら幸いでございます。

 

お松明

 

 

長さは、約6~7メートル 重さ約70キロ

肩に担ぎ 階段を上っていく姿は圧巻です。

 

昨年のお松明は 現在

お松明

 

樫舎の2階にあがる場所にあります。

少しくぐり辛いので申し訳ないのですが、皆さまの御発展をお祈りしていますので

是非 くぐっていただけましたらと思います。

 

 

葩餅

葩餅

 

 

1月中 葩餅予約承ります。

 

 

葩餅というと お正月、初釜・・・の御菓子ですが

由来は、宮中のお正月行事からきているそうです。

長寿を願い、イノシシ・鹿・瓜・大根・鮎をいただく"歯固め"を略した

菱葩が由来だそうです。

 

明治に裏千家の御家元 玄々斎が初釜でつかうことを

宮中に認められ現在に至っています。

 

 

樫舎の葩餅は

近江の餅米を低温で胴搗きして餅粉し、お砂糖を合わせて作りました求肥

中餡には、備中白小豆の自家製こしあんと特注の京の雑煮味噌を合わせた味噌餡

金時人参、細牛蒡とともに仕立てました葩餅でございます。

 

 

看板 後編

先月の事ですが、無事に看板をあげることが出来ました。

 

看板をあげるのに良い日を選び

1月16日に

看板6                                                              

看板7

看板8

 

 

屋根に主人自ら上りました。

見ている方は緊張します。

何度も微調整をしながら位置を決めて

無事にあげることが出来ました。

 

たくさんの方々にご協力いただきました。

この場を借りまして御礼申し上げます。

 

お目に触れる機会がございましたら是非とも!

 

ある日の昼食

 

ときどきお願いして頼んでいるお弁当が

だいどころ飛鳥さんのお弁当

 

 

こちらのだいどころ飛鳥さんのものです。

このお弁当が届く日は、朝からとても愉しみにしています。

手書きのやさしい字の包み紙を開けると・・・

土鍋で炊いたツヤツヤの美味しいおにぎりと薄味の味付けのお惣菜・果物と

この日は、粕汁も!!飛鳥さんのお人柄がお味に出ているのです!!

とても美味しくて"さあ午後からも頑張りましょう~"と皆、元気になります。

数量限定で予約のみのこちらのお弁当は、知る人ぞ知る?!

教えたくないけれど・・・・云わずにはいられない。

 

樫舎の原動力になる、ある日のお昼ごはんのご紹介でした・・・・

 

 

 

看板 前編

ご挨拶が遅くなりましたが

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

今年は、新年からお店の看板を作っていただいてます。

看板1 

1/3より山本さまとTるいさんに彫っていただきました

看板2

字と字の空間・大きさはとてもとても大切な事

看板3

奈良漆器の塗師 Tるいさんにケヤキの木目だすために透け漆を塗っていただいてます

樫舎の漆器(椿皿・合鹿椀等)は、Tるいさんのものです

(ご本人の熱望により奈良漆器の塗師Tるいさんのお顔とお名前は伏せさせていただいております)

看板4

"漆は湿度で乾く"ということで火鉢にかけてある釜のふたは開けています

看板5

屋号に黒の漆を・・・・とても緊張感のある作業です

 

不思議な事に彫っているのに字が浮き上がってみえるのです

技術ですね

 

次回は後編 看板の完成をお知らせいたします。

 

感謝

7月11日

 

7月5日 無事に皆様のおかげで開店する事が出来ました。

開店より一週間たち、改めてたくさんの方々に支えられていることに感謝しております。

 

御祝 花  御祝 花2  御祝 花3  御祝 花4

御祝 花5  御祝 花6  御祝 花7  御祝 花8

たくさんの御祝いのお言葉・お花等々頂きどうもありがとうございます。

皆様のご期待に一歩でも近づけるよう精進してゆきたいと思います。

どうぞ宜しくお願い申しあげます。

                                       

                                 樫舎主人

                                   喜多誠一郎